輪島塗は江戸時代の享保年間ごろに技術が確立し、輪島市で作られるようになった漆器のことです。
特徴はなんと言っても、藻類の化石を主成分とする珪藻土を水で練って素焼きし細かく砕いた「地の粉(じのこ)」を漆に混ぜて下地に使うこと、そして木地に下地を厚く施すことによって、丈夫さと美しさを両立させることです。
日本国内の漆器産地の中で国指定重要無形文化財団体指定を受けているのは、輪島塗だけです。鰻のおかむらではこの強くて美しい輪島塗りの魅力に惹かれ、塩安漆器工房さんに特注のお重と汁椀の製作を、古込和孝さんに沈金を依頼しました。
木地屋さんで作った木地に漆を塗って丈夫にし、形を整える事を目的にする最初の塗りです。
目止め、巻きコクソ、のべ漆、布着せ、地の粉を混ぜた何層にもわたる漆の塗布などの様々な工程を約3~4ヵ月間かけて行います。この独特の下地こそが輪島塗の最大の特徴になります。
表面を滑らかにし、上塗りの準備となる塗り工程です。中塗りと上塗りは美しく仕上げるための作業です。
下地が終わったものを水研ぎし、水分を蒸発させ「くろめた」漆を塗っていきます。
仕上げ塗りです。日本産の漆を用い分厚く塗り上げ、ここで無地の輪島塗が完成します。
漆工芸技法の一つで漆器の表面に漆で絵や文様、文字などを描き、それが乾かないうちに金や銀などの金属粉を「蒔く」ことで器面に図柄を定着させる技法です。鰻のおかむらでは汁椀にオリジナルの蒔絵を施しています。
漆面に対してノミ(刃物)で文様を彫り、この彫り溝に金箔、金粉を埋め込むことで模様を描く技法です。金箔や、金粉の代わりに顔料を埋め込む場合もあります。鰻のおかむらのお重はロンドンを拠点に活躍するÅBÄKEのデザインで、「遙かなる旅」とテーマにした図柄が沈金で施されています。ÅBÄKEのお重と汁椀はうな重で使用しています。